死刑執行を受けての会長声明
2026年08月25日
東京弁護士会 会長 石原 修
2026(令和8)年8月21日、大阪拘置所において、1名の死刑が執行された。2025(令和7)年6月27日に1名の死刑が執行されて以来の死刑執行である。
本件は、5名の被害者の尊い命が奪われ、10名の被害者が重軽傷を負うなど極めて重大な結果が発生した事件であり、かかる犯罪行為は断じて許されないものである。平口洋法務大臣は、死刑の執行を命じるに際しては、死刑が極めて重大な刑罰であることから慎重な上にも慎重な検討を加えたとする。
しかしながら、死刑は、あらゆる人権の根源であり、国家が何に代えても守らなければならない国民の生命を剥奪するというものである。
死刑の廃止又は執行の停止を決める国々は広がりつつあり、最近も、長らく死刑の執行を停止してきたレバノンが中東諸国で初めて死刑制度廃止を決めたという報道があった。わが国でも、有識者による「日本の死刑制度について考える懇話会」が、委員16名の全員一致で、現行の日本の死刑制度とその現在の運用の在り方には放置できない問題があり、早急に、国会及び内閣の下に公的な会議体を設け、死刑制度に関する根本的な検討をすべきと提言している。平口法務大臣も記者会見において、多くの国民が必要性を感じて議論に参加する形で、幅広い観点から議論がなされることが適切であると言及したほか、死刑に関する国民の理解を得るために情報公開を進めることが重要だと述べた。
死刑制度のあり方には様々な考え方があり得、世論においては、8割ほどが死刑はやむを得ないとしている一方で、死刑に代わり仮釈放のない終身刑が導入されれば死刑を廃止する方が良いとするものも4割弱に上っている。
当会は、2020年9月24日の臨時総会において、 「死刑制度廃止に向け、まずは死刑執行停止を求める決議」を採択しており、今回の死刑執行に強く抗議するものである。死刑に関する十分な情報開示がなされた上で広く国民的な議論を尽くし世論の醸成を待つべきであり、当会は、世論の熟成のために最大限の努力を行っていく所存である。
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