東京弁護士会

消費者団体訴訟制度の成立に関する会長談話

2006年06月08日

東京弁護士会 会長 吉岡 桂輔

 本年5月31日に消費者団体訴訟制度の創設を内容とする消費者契約法の一部改正が成立し6月7日に公布されました。同制度は、消費者被害の未然・拡大防止に資するものとして当会もその実現を求めてきたものであることから、今回の立法は当会としても評価しております。

 また国会審議の中で、消費者団体や弁護士会から批判が強かった裁判管轄について、事業者の普通裁判籍、営業所などの所在地のほかに、事業者の不当な行為がなされた地を管轄する裁判所にも訴訟を提起できる旨の修正がなされたことは歓迎できます。
しかしながら、当会が要望していた、(1)他の適格消費者団体による確定判決等が存する場合、同一事件の請求は原則としてできないとする規定は撤廃すべきである、(2)差止めの対象となる実体法に消費者契約法4条、8~10条のほかに、民法96条、90条、借地借家法の強行規定を含めるべきである、(3)不当条項の「推奨行為」を差止め対象とすべきである、(4)消費者団体に対する、財政面も含めた積極的な支援を行うべきである、などの点が付帯決議されたにとどまり、法律に盛り込まれなかったのは誠に遺憾であります。

衆議院、参議院が付帯決議として、(1)から(4)の上記各点について、必要に応じた見直しを行うべきこと、特定商取引法、独占禁止法、景品表示法等の消費者関連諸法への導入について検討を進めること、消費者団体による損害賠償制度の必要性等を検討することなどを決議したことに鑑み、政府は、その意を体して制度の運用状況を踏まえ、必要な見直し・検討及び改正に積極的に努めるべきであることを強く要望いたします。

 当会としては、同制度を実効性あらしめるため、今後ともこのような改善すべき点の是正を求めていくとともに、同制度が施行後活発に利用されるよう尽力していきたいと考えます。

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