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Part18 私のあした
「もがれた翼」とは、東京弁護士会が運営する電話相談「子どもの人権110番」に寄せられる、少年事件やいじめ、虐待など子どもの人権をめぐるさまざまな問題を広く皆さんに知っていただくため、1994年の子どもの権利条約の批准を機に子どもたちと弁護士でつくってきたお芝居です。
もがれた翼をきっかけに、2004年6月、社会福祉法人カリヨン子どもセンターが設立され(当時はNPO法人)、日本で初めて民間の子どもシェルター「カリヨン子どもの家」が誕生しました。また、社会福祉法人カリヨン子どもセンターは、自立援助ホーム「夕やけ荘」、「とびらの家」を開設し、子どものデイケア事業「カリヨンハウス」も始動しました。
現在、神奈川、愛知、岡山、宮城、広島でも子どもシェルターが誕生し、その他、京都、福岡、高知でも開設が予定されるなど、子どもシェルターは全国的な広がりを見せています。また、2011年、子どもシェルター全国ネットワーク会議が発足し、国や地方公共団体との協議により、子どもシェルターの法制度化に向けた検討が進められています。
今年のお芝居は、長期間にわたり虐待を受け続け、自傷行為を繰り返したり、精神不安に陥るなど、精神科や診療内科への受診まで必要とされる子どもたちの苦しみと、その子どもたちをケアし、自立支援に奔走するおとなたちの物語です。
精神的な問題を抱え、働きたくても働けず、親の下にも帰れない子どもたちにはどのような居場所が必要なのでしょうか。入院が必要な子どもでも、退院後の行き先がなければ入院を断られてしまうこともあります。精神的な問題を抱えた子どもたちに対する支援体制は、大人に比べて極めてぜい弱であると言わざるを得ません。児童福祉行政の盲点とも言うべきこの問題は看過できない重要な問題です。もがれた翼パート18「私のあした」、皆さまとご一緒に考える機会となれば幸いです。
日 時 2011年8月20日 昼の部:15時00分開演(14時30分開場)、夜の部:18時30分開演(18時00分開場)
場 所 豊島公会堂(東京都豊島区東池袋1-19-1) JR山手線池袋駅東口下車 徒歩約5分
地図(豊島公会堂のHP)
入 場 各800名、入場無料、全席自由、予約は承っていません。
演 出 冨沢 竜也、和田 光恵
脚 本 坪井 花梨(社会福祉法人カリヨン子どもセンター)
照 明 木村 秀信(スクラムスタッフ)
音 響 余田 崇徳、竹田 雄(Three Quarter)
音 楽 余田 崇徳、ぱくぱく
製 作 東京弁護士会子どもの人権と少年法に関する特別委員会
出 演 公募参加の子どもたちと東京弁護士会の弁護士
協 力 社会福祉法人カリヨン子どもセンター
主 催 東京弁護士会
共 催 豊島区
お問い合わせ TEL03-3581-2205 東京弁護士会 人権課
あらすじ
「このままじゃだめだ...」 明日香は、精神を患った母親に振り回される毎日、ゴミだらけの家から飛び出した。
SNSで知り合った七海が、電話相談できる東京弁護士会「子どもの人権110番」を教えてくれました。
弁護士の坂口は、明日香の電話相談を受け、社会福祉法人カリヨン子どもセンターの「シェルター」へ明日香を案内します。衣食住の心配をせず、これからのことをゆっくり考えられる「シェルター」で、明日香は母親とは別れて自立していこうと決意します。
ところが、『自立援助ホーム』での新しい生活、人間関係に、明日香はなかなか馴染むことができません。やっと採用されたアルバイトでは、いつまでたっても仕事が覚えられず、怒鳴られる毎日。眠れない。食べられない。何も面白いと感じない。体が動かない...。
悲しみ、自分自身を追い詰めてしまう明日香に、坂口は戸惑います。
現在の日本には、家庭や社会で居場所を失い、精神的に不調を患った子どもたちの支援の手立てが十分ではありません。働くことも、就学することも困難な子どもは、どこへ行けばいいのか。虐待を受けた過去、立ち上がれない自分に苦しむ子どもたちを前に、支援する大人たちは悩み、「療養型グループホーム」を作ろうと考え始めます。
そして、明日香の、本当の思いが明らかになっていきます...。