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Part20 虹がかかるまで ~本当は、いじめは嫌なんだ~
「もがれた翼」は、子どもを取り巻く現実とその現代的課題を広く皆さんに知っていただくことを目的として、1994年の子どもの権利条約の批准を機に子どもたちと弁護士でつくってきたお芝居です。
「もがれた翼」では、少年事件やいじめ、虐待など子どもの人権をめぐる様々な問題をテーマとして取り扱ってきましたが、これらは、東京弁護士会が行う電話相談「子どもの人権110番」に寄せられた相談や弁護士が担当した実際の事案等を基に作られています。
2004年には、「もがれた翼」をきっかけに、特定非営利活動法人カリヨン子どもセンターが設立され、日本で初めての子どもシェルターが誕生しました。その後、子どもシェルター開設の動きは全国に広がっています。
今年の「もがれた翼」は、いじめをテーマに取り上げます。
一昨年の大津市のいじめ問題がマスコミで大きく報道されたことは皆さんの記憶にも新しいと思います。これまでも、いじめによる自殺事件などがマスコミで大きく取り上げられる度に、いじめ問題に対する社会の関心が高まり、その度に、いじめの認知件数も増加しました。しかし、社会の関心が冷めると、いじめの認知件数も急激に下がるということを繰り返しています。
いじめは決して新しい問題ではありません。いつの時代にも存在し、そして、解決することの難しい、今も子どもたちを苦しめている問題なのです。
子どもたちから、こんな声が聞こえてきます。「本当はいじめは嫌なんだ」と。
しかし、こうした子どもたちの声をくみ上げ、いじめの問題に取り組むべき、教師や教育関係者、親同士の間でも、いじめの対応に苦慮し、あるいはいじめをめぐって対立してしまい、一致団結して子どもをサポートするための十分な信頼関係を築けていない現状があるのではないでしょうか。
いじめが起こっているとき、子どもたちにとって、最も辛く、苦しいのは、「孤立」していることです。孤立した子どもたちは、友達や、教師などの大人、それに親に対してすら、信頼を寄せることが出来ず、助けを求められずにいます。いじめによって孤立した子どもたちの目に映る世界は、色がありません。灰色の世界なのです。
子どもと大人、子ども同士や大人同士の信頼関係を回復し、子どもに虹色の世界を取り戻すために、私たち大人には何が出来るでしょうか。「もがれた翼パート20」で、皆さんと一緒に考えたいと思います。
日 時 2013年8月31日 昼の部:16時00分開演(15時30分開場)、夜の部:19時00分開演(18時30分開場)
場 所 赤羽会館講堂( 東京都北区赤羽南1-13-1) JR赤羽駅(京浜東北線、埼京線、高崎線、宇都宮線) 徒歩5分、地下鉄南北線赤羽岩淵駅 徒歩10分
地図(赤羽会館のHP)
入 場 2回合計905名の皆様の入場がありました。(入場無料、全席自由、予約は承っていません)
演 出 米内山 陽子(トリコ劇場/チタキヨ)
脚 本 坪井 花梨(社会福祉法人カリヨン子どもセンター)
舞台監督 村田 綾香
照 明 木村 秀信
音 響 余田 崇徳、橋本 絢加
製 作 東京弁護士会子どもの人権と少年法に関する特別委員会
出 演 子どもたちと東京弁護士会の弁護士
主 催 東京弁護士会
共 催 北区
後 援 北区教育委員会
協 力 社会福祉法人カリヨン子どもセンター
お問い合わせ TEL03-3581-2205 東京弁護士会 人権課
- 「もがれた翼」の本です
- 本年の「もがれた翼」の案内チラシです。 (PDF:2.66MB)
あらすじ
厳しい残暑と雨空が続く9月。
『子どもの人権110番』へ、中学3年生の少女からの一本の電話がかかってくる。
「ガッコウデ、イジメラレテ…」
新人弁護士の桐谷は、初めての子どもの権利擁護活動としてこの相談を受けることになる。
いじめの事実を認めてほしいという、少女の願いは親と学校の対立の中で空転し、桐谷は『子どものオンブズパーソン』への救済申立てを提案するが…。
学校で、クラスで、部活動で、何が起きていたのか。
誰も信じられない。本当は嫌なのに、止められない。どうしたらいいかわからない。
子どもたち、おとなたち、全員が深刻な事実と向き合う決断を迫られる…!