アクセス
JP EN
性の平等に関する委員会

性の平等に関する委員会

 

今すぐ取り組める!中小企業のセクシュアル・マイノリティ支援方法(2018年2月号)

近年、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者、LGBT)の人々への理解が以前よりも深まってきました。大きな企業では、福利厚生や人事制度において同性パートナーを配偶者と同様に扱うところもあります。
しかし、中小企業では「予算もないし、人員の余裕もないから、どう取り組んで良いのか分からない」という会社が多いのではないでしょうか?
例えば、トランスジェンダーの社員から、性別を限定しない「だれでもトイレ」を増やしてほしいと言われても、トイレ増設の予算や場所が取れないということもあるかもしれません。
そこで、予算をさほどかけなくてもできる可能性がある取り組みをご紹介します。
①から③は、トランスジェンダーの社員への対応で、④と⑤はゲイ・レズビアンの社員への対応、⑥と⑦は社員全体への対応です。

①採用時に、履歴書に性別の記載を必須事項としない。または、応募者の認識する性別の記載で良いとして、戸籍上の性別と違う記載であることを理由に不採用としない。
②男女別制服をなくす。または、社員が希望する性別の服装を認める。
③更衣室を増設することが難しければ、他の社員が着替える前など、更衣室を時間差で使うことを認める。
④同性パートナーの介護が必要となったときに、介護休暇を認める。
⑤同性パートナーが同じ会社で勤務しているときは、単身赴任となっても構わないという希望がない限り、転勤の際に配慮する。
⑥職場に、セクシュアル・マイノリティの人々への理解を深めるための本を置いて社員が誰でも閲覧できるようにする。
⑦セクシュアル・マイノリティ研修のための講師を外部から招くことが望ましいが、予算がない場合は、無料や低価格のセミナーに社員が参加するよう促す。

これらはあくまでも一例で、他にもたくさんの手段があると思います。
「うちはそんなに社員数も多くないし、セクシュアル・マイノリティの人も職場にいないだろう」と思って、何もしないというのは問題です。職場にいない、というのは思い込みかもしれません。そして、新しく採用したい優秀な社員候補の中に、セクシュアル・マイノリティの人がいても、セクシュアル・マイノリティの人々に対する制度が整っていない、あるいは理解のない会社であれば、その人は内定を辞退するかもしれません。
たとえ制度が十分整っていなくとも、社長をはじめ、社員全員が、セクシュアル・マイノリティの人々を特別扱いすることなく、誰もが気持ちよく働ける環境であることが求められています。形だけ就業規則を整えても、差別や偏見が存在する職場では、何の解決にもなりませんので、まずは正しい知識と理解を身に付けることが重要です。

性の平等に関する委員会メニュー