
- 新着情報
- 意見書・会長声明
- シンポジウム・講演会
- コラム(セクシュアル・マイノリティ)
- 性別の取扱いの変更要件の一部を無効とした最高裁令和5年10月25日決定について
- 性的指向及び性自認に関する基本理念、職員向けガイドライン
- 「結婚の自由を全ての人に」訴訟の進捗状況と世界の同性婚について
- 東京三弁護士会多摩支部の取組みのご紹介
- 東京弁護士会がPRIDE指標で4年連続でゴールドとレインボーをW受賞しました!
- 理解増進法とトランスジェンダーに対する誤解
- 全国の「結婚の自由をすべての人に」訴訟の進捗報告
- シンポジウム(2024年1月30日開催)参加報告
- 東京三弁護士会多摩支部の取組みのご紹介
- 東京弁護士会がPRIDE指標において3年連続でゴールドとレインボーをW受賞しました!
- 同性パートナーの在留資格(2022年12月9日号)
- 東京三弁護士会多摩支部の取組みのご紹介(2022年12月8日号)
- 「結婚の自由をすべての人に」訴訟の進捗について(2022年12月7日号)
- 東京弁護士会が今年もPRIDE指標でゴールドとレインボーをW受賞しました!(2022年12月6日号)
- 2022年度セクシュアル・マイノリティ週間の開始にあたって(2022年12月5日号)
- 職場における性別移行ガイド(2022年7月28日号)
- 同性カップルがやがて直面する相続問題(2022年3月3日号)
- セクシュアル・マイノリティと刑事収容施設における課題について(2022年1月21日号)
- 経産省行政措置要求判定取消等請求控訴審判決について(2022年1月20日号)
- SOGIハラスメント(2022年1月19日号)
- 「結婚の自由をすべての人に」訴訟の現状と今後(2022年1月18日号)
- セクシュアル・マイノリティ週間の開始にあたって(2022年1月17日号)
- 東京弁護士会がPRIDE指標でゴールドとレインボーをW受賞しました!(2021年11月号)
- 国会議員の差別的発言について(2021年6月号)
- セクシュアル・マイノリティを意識した言葉遣い(2021年4月号)
- 東京都足立区議会における区議会議員による性的少数者に対する差別発言について(2021年1月号)
- あなたのまちにパートナーシップ制度はありますか(2020年9月号)
- 東京弁護士会がPRIDE指標でゴールドを受賞!(2019年12月号)
- 「SOGIハラ」をなくそう(2019年6月号)
- 職場でのカミングアウト(2018年10月号)
- 教育現場とセクシュアル・マイノリティ(2018年4月号)
- 今すぐ取り組める!中小企業のセクシュアル・マイノリティ支援方法(2018年2月号)
- 民間団体・企業向けハラスメント防止研修
- 女性支援ネットワーク会議
- 法教育
- 当委員会が執筆した出版物
- フィンランド視察報告書
東京三弁護士会多摩支部の取組みのご紹介
東京三弁護士会多摩支部にてセクシュアル・マイノリティの問題に取り組む「多摩レインボーメンバーズ」所属の弁護士に寄稿いただきました(以下は寄稿した弁護士の意見・感想であり、東京三弁護士会多摩支部の公式見解ではありません)。
東京三弁護士会多摩支部(以下「多摩支部」)では、セクシュアル・マイノリティ向けの常設法律相談として「東京三弁護士会多摩支部レインボー相談」(面談相談、また第1・第3金曜日18時~21時の時間帯で電話相談)を試行実施していますが、相談にあたる弁護士を養成し、また多摩支部内においてもセクシュアル・マイノリティへの理解を深めるために、定期的に研修を行っています。
その一環として、多摩支部では、2024年12月、東京弁護士会でセクシュアル・マイノリティ支援活動に長年取り組んでいる本多広高弁護士を講師に迎え、「セクシュアル・マイノリティについての基礎知識」というテーマで2時間の研修講義をしていただきました。
ご存じのとおり、我が国における戸籍上の性別変更の条件は「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」に定められています。そこでは、「未成年の子がいない」ことの等の他の要件のほか、性別適合手術をしていること(「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」以下「4号要件」といいます。)という要件を定めており、戸籍上の性別変更を希望する人たちに身体的負担という意味でも、経済的負担の面でも、高いハードルを課すものでした。
4号要件は、国連をはじめとする内外の団体から、正当な理由を欠く差別的な取り扱いとして勧告の対象となっており、国際社会の趨勢から考えても後れを取っているものと考えられていました。
本多弁護士は、4号要件の合憲性を争点とする審判手続の代理人を務め、静岡家庭裁判所浜松支部において、上記規定が憲法13条に違反するという違憲判断(審判)を獲得しました(令和5年10月11日審判決定)(なお、この事件の申立人はホルモン治療の影響により「その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること」の要件(以下「5号要件」といいます。)は満たしていました。)。令和5年10月25日には、最高裁で4号要件について違憲とし、5号要件について高裁に差し戻す判決がありました。この後、性別適合手術を受けていなかったとしても性別変更の審判を受けられるようになりました。
法律は、それが時代に合わないものであれば変えていくことが出来ますが、裁判で法律や制度の仕組みを変えていくことは容易なことではありません。
しかし、本多弁護士は、弁護士なら法律を自ら変えていく力をもっていること、他でもない弁護士がその役目を担っているということを身をもって示しており、私たち多摩支部のメンバーは大いに勇気づけられることになりました。
多摩支部レインボーメンバーの模索はまだまだ続きます。東京弁護士会をはじめ全国の弁護士とのつながりを大切に、これからも多摩の地で頑張ります。