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性の平等に関する委員会

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「SOGIハラ」をなくそう(2019年6月号)

「セクハラ」、「パワハラ」といった言葉は、近年、誰もが知る言葉となりました。今回は「SOGIハラ」を取り上げたいと思います。

「SOGIハラ」はSexual orientation and gender identity(性的指向及び性自認)についてのハラスメントのことで、「ソジハラ」または「ソギハラ」と読みます。
性的指向とは、自身がどの性の人に恋愛感情を抱くかという、感情の方向性のことをいい、性自認とは、自身がどの性に属しているかという認識のことを言います。
こういった性的指向や性自認について嫌がらせを行うことを「SOGIハラ」と言います。
例えば、「ホモ」「レズ」などと言って相手を侮蔑することはもちろんのことですが、「あの人、しぐさがホモっぽい」などと嘲笑することもSOGIハラです。
また、性自認は男性の方に対して、戸籍や身体上の姓が女性であることをもって、職場で女性の服装を強要することもSOGIハラに該当しますし、本人の了承を得ずにその者が公にしていない性自認や性的指向を暴露すること(アウティング)もSOGIハラです。

普段の会話の中や飲み会の席等で、面白半分で「ホモ」や「レズ」などと聞いたことはないでしょうか。SOGIハラに該当するかは、その他のハラスメントと同様に、それを受けた人が「嫌だ」と思ったかどうかで判断されます。先ほどの例でいくと、「ホモ」や「レズ」と言った本人は何とも思っていなくても、それを聞いた人の中で、不快な思いをした人がいれば、それはSOGIハラです。

いくつか例をあげました。確かに、セクシュアルマイノリティがSOGIハラの被害を受けやすい傾向にはありますがSOGIハラはセクシュアルマイノリティだけの問題ではありません。誰しもが有している性的指向と性自認に関わる問題です。

現在、男女雇用機会均等法を受けて作成された「事業主が職場における性的言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」においては、被害を受ける者の性的指向や性自認にかかわらず、「性的な言動」であれば、セクシュアルハラスメントに該当することが明示されたに止まり、SOGIハラについての言及はありませんでした。一方で、国家公務員を規律する人事院規則においては、その運用(『人事院規則10―10(セクシュアル・ハラスメントの防止等)の運用について』)において、性別により役割を分担すべきとする意識又は性的指向若しくは性自認に関する偏見に基づく言動も含む、性的な関心や欲求に基づく言動がセクシュアルハラスメントに該当しうるということを定めています。
このように、現状では官民で少し差はありますが、本年5月29日に、職場でのパワーハラスメント防止を義務付ける関連法が成立しました。併せて、今後策定される「パワハラ対策指針」にSOGIハラの防止も盛り込まれることになりました。

SOGIハラがこの指針の中でどのように規定されるかはまだわかりませんが、その内容にかかわらず、みんなが互いの個性を尊重しあって、SOGIハラをなくすという意識が非常に大切です。
まずは、自分自身が意識し、次は自分の周囲の人にという形で、SOGIハラをなくすという意識が広がっていくと、みんなにとってより居心地のいい社会ができるのではないでしょうか。

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