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- コラム「憲法の小窓」
- 第46回 違憲な安保法制成立から10年たって(2025年11月号)
- 第45回 権力を疑い、人を信じる-憲法からはじまる政治の授業(2025年10月号)
- 第44回 夏休みジュニア・ロースクールの取り組み(2025年10月号)
- 第43回 靖国違憲訴訟弁護団としての思い(2025年9月号)
- 第42回 第2次世界大戦の惨禍を博物館で振り返る(2025年7月号)
- 第41回 憲法の成り立ちと憲法改正草案(2025年6月号)
- 第40回 憲法記念日の街頭宣伝行動のご報告(2025年5月号)
- 第39回 日本学術会議法案の問題点(2025年5月号)
- 第38回 東弁の人権フェスティバル(2025年3月号)
- 第37回 シンポジウムを終えて(2025年3月号)
- 第36回 古くて新しい憲法のはなし⑭
「戒厳令・緊急事態と憲法~韓国の戒厳令発令と解除から学ぶ危険性~」(2024年12月号) - 第35回 古くて新しい憲法のはなし⑬
「冤罪と三権分立~政府は裁判所の「証拠をねつ造した」との判断を尊重しなければならない~」(2024年11月号) - 第34回「表現の自由の保障の意味を今一度考える」(2024年10月号)
- 第33回「古くて新しい憲法のはなし⑫ 外国人と人権~外国籍と日本国籍とで人権保障に差を設けてよいのか~」(2024年8月号)
- 第32回「『軍事化とジェンダー』を考える ~四会憲法記念シンポジウムの報告~」(2024年7月号)
- 第31回「古くて新しい憲法のはなし⑪ 死刑制度と憲法」(2024年3月号)
- 第30回 映画「オッペンハイマー」と核兵器について(2024年2月号)
- 第29回「日本の憲法の問題点」(2024年1月号)
- 第28回「先島諸島を訪問しました」(2023年12月号)
- 第27回「古くて新しい憲法のはなし⑩ 労働者は団結することによって守られる~ストライキと憲法~」(2023年11月号)
- 第26回 「関東大震災百年に思う」(2023年9月号)
- 第25回「古くて新しい憲法のはなし⑨ 多数決と憲法」(2023年7月号)
- 第24回 「坂本龍一さんと日本国憲法」(2023年6月号)
- 第23回 「憲法とSDGs」(2023年2月号)
- 第22回2022年公開の映画で考える憲法と人権(国際編①)(2023年1月号)
- 第22回2022年公開の映画で考える憲法と人権(国際編②)(2023年1月号)
- 第22回2022年公開の映画で考える憲法と人権(国際編➂)(2023年1月号)
- 第21回 2022年公開の映画で考える憲法と人権(国内編①)(2022年12月号)
- 第21回 2022年公開の映画で考える憲法と人権(国内編➁)(2022年12月号)
- 第21回 2022年公開の映画で考える憲法と人権(国内編③)(2022年12月号)
- 第20回「憲法の本質と緊急事態条項」(2022年9月号)
- 第19回「古くて新しい憲法のはなし⑧ 選挙の楽しみ方~有権者としての「特権」を生かそう~」(2022年7月号)
- 第18回「古くて新しい憲法のはなし⑦「有権者」って誰だ~国民主権をめぐって~」2022年6月号)
- 第17回「古くて新しい憲法のはなし⑥ 憲法9条はお花畑か。」2022年5月号)
- 第16回「古くて新しい憲法のはなし⑤ 生活の中で憲法を使って生きてみませんか。」(2022年5月号)
- 第15回「グレーゾーン事態というグレーな領域でのグレーな試論」(2022年4月号)
- 第14回「ウクライナは憲法に何を語りかけているか」(2022年4月号)
- 第13回「古くて新しい憲法のはなし④ ロシアのウクライナ侵攻と日本国憲法」(2022年3月号)
- 第12回 武蔵野市住民投票条例案について(2022年2月号)
- 第11回マイナンバーカード普及推進の問題点(2022年1月号)
- 第10回「古くて新しい憲法のはなし③「大人になる」ってどういうこと?」(2022年1月号)
- 第9回 東アジアを巡る国際情勢の変化と日本人の戦争意識(2021年12月号)
- 第8回 憲法学と選挙制度①(2021年10月号)
- 第8回 憲法学と選挙制度②(2021年10月号)
- 第8回 憲法学と選挙制度③(2021年10月号)
- 第7回 ワクチン接種者に対する優遇措置について(2021年10月号)
- 第6回「表現の不自由展かんさい」を訪れて①(2021年9月号)
- 第6回「表現の不自由展かんさい」を訪れて➁(2021年9月号)
- 第5回 演劇「あたらしい憲法のはなし3」が2021年9月10日~12日まで東京芸術劇場で開催されます(2021年9月号)
- 第4回「公益と憲法~映画助成金裁判と表現の自由~」(2021年8月号)
- 第3回「古くて新しい憲法のはなし② 憲法に書いてあることは「理想」なの? 」(2021年7月号)
- 第2回「古くて新しい憲法のはなし① 憲法って何だろう」(2021年7月号)
- 第1回「憲法はあなたを守っているのか」(2021年5月号①)
- 第1回「憲法はあなたを守っているのか」(2021年5月号②)
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第46回 違憲な安保法制成立から10年たって(2025年11月号)
大森 夏織 (東京弁護士会憲法問題対策センター委員)
違憲な安保法制成立から10年たって
今年9月19日。いわゆる安保法案が2015年9月に両院の強行裁決により成立してしまった時から10年が経過しました。東弁は今年も、安保法制に盛り込まれた集団的自衛権の行使等が憲法9条に違反し許されないことなどを指摘した「安保法制成立後10年経過にあたり、改めて同法制が違憲であることを確認する会長声明」を発出しました。同時に、東弁憲法センターは、10年目の新たな怒りをこめた国会前総行動に参加し、約1時間の行動中、演台の裾に東弁の幟が誇り高く翻りました。
思えば10年前の2015年9月19日。法案強行採決時も、東弁の幟は、雨の中(雨の多い年でした)、国会前に翻っていました。しかし、歴代内閣法制長官、最高裁判事経験者、大多数の憲法学者が反対し、日弁連および東弁を含むすべての単位会が反対声明を発出するなか、安保法は強行採決により成立してしまいました。
2015年度の東弁の憲法担当副会長を拝命していた私は、東弁だけで100人を超える女性弁護士、東京三会で160名の女性弁護士が参加した「安保法反対女性弁護士101人大集合!」の集会と有楽町街宣、歴代全ての東弁会長による安保法反対共同声明と記者会見、戦後70年一大イベントの写真展・資料展・親子企画・コンサート・シンポ、クレオに報道陣があふれかえった日弁連「安保法反対 オール法曹&学者」への東弁会員の大結集、国会前行動への東弁幟を持参しての連日参加、会派主催憲法企画「後援」の実現などに、東弁会員の皆様、職員の方々会長以下役員の方々のあたたかいご支援ご協力のもと、尽力しました。
10年後の現在、弁護士会の安保法廃案の運動が盛り上がっているか、注目されているか、と言われれば、そうではないでしょう。むしろ、この10年、憲法の明文改憲のリスクは高まり、事実上の戦闘地域での自衛隊による武器使用、敵基地攻撃能力保有の議論など、許されない解釈改憲も年々深刻化しています。世界各地ではさらなる武力行使が激化しこどもたちが日々傷つきなくなっています。胸が痛み怒りを覚えることばかりの日々です。
しかしながら、東弁は、この10年間、歴代の会長が、必ず平和のための会長声明・談話を欠かすことなく、安保法の憲法違反をあらためて指摘し、そのときどきの軍事的動きを毅然と批判してきました。東弁に所属する私の誇りであり、そして私たちひとりひとりの東弁に所属する弁護士も、1日1日、深く静かに、恒久平和主義を謳う憲法前文と9条の価値を訴え続けることが大事です。
東弁は、これまでもこれからも、平和を踏みにじる違憲な安保法の強行採決を決して許さないという固い決意を示します。
