東京弁護士会
公益通報者保護特別委員会

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公益通報の具体例:虚偽の広告・表示問題(2016年8月号①)

 本コラムでは、公益通報の対象となる具体例として、事業者による虚偽の広告・表示問題を取り上げたいと思います。

 消費者は、販売元事業者等からの商品・役務の広告(TV・新聞・雑誌・チラシ・インターネット等)や表示(製品のパッケージやシールの表示、店舗内のポスター等)を信頼して商品等を購入します。
 しかし、この広告表示には、虚偽の情報が混じっていることが、少なくはありません。例えば、しばらく前に世間を騒がせたレストランその他の飲食店、デパート、ホテル、旅館等の食品偽装などは、その典型例です。
  この消費者に虚偽の情報を与える不正な広告表示の問題は、従来が食品偽装問題だけがマスコミ等を通じてクローズアップされることが多かったように思いますが、決してそれだけではなく、ありとあらゆる商品等の分野で発生しています。例えば、衣料品、家電製品、予備校・専門学校・学習塾、金融商品、美容医療やエステ、インターネット通販等々、枚挙に暇がありません。例えば、比較的最近の事例としては、自動車の燃費偽装の事件も同じ構造の問題と位置付けられます。
 これら虚偽の広告表示を規制する景品表示法という法律があり、これは、優良誤認表示(商品役務について実際の品質・性能を偽ってより良いものだと表示すること)、有利誤認表示(商品役務の価格や取引条件について、より有利なものだと表示すること)を禁止しており、これが消費者庁(及び都道府県)によって摘発されると、措置命令という処分を受けることになりますが、現在、これに加えて課徴金という経済的不利益処分を課する制度が平成28年4月1日から開始されています。
 このような虚偽の広告表示は、多くの消費者を欺すものであり、虚偽誇大広告の程度が小さなものでも、それは実質的には部分的な詐欺とも言うべきものです。販売元事業者自体も、これが摘発されると、大きな社会的批判を受け、その後の事業活動に支障を来すことも考えられます。上記の自動車燃費偽装問題などはその好例です。事業者の側としても、そのように大きな火が燃え上がる前に、違法状態を早期かつ適切に是正することが求められます。
 そこで、自社の製品・サービス等の広告表示において、真実と異なる部分がある、消費者を欺瞞するものではないか、と感じられた場合には、問題が大きくならないうちに、社内的にその改善を求めていくことは当然ですが、それでも問題が改まらない場合には、公益通報窓口に相談して頂くことも、1つの方法かと思います。

以上

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