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公益通報者保護特別委員会

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公益通報者保護に関する最近の動き(2019年2月号)

今年は、公益通報者保護法が2006年4月に施行されて以来の大きな節目の年といえます。法改正の動きが具体化し、他方で内部通報制度に関する認証制度がスタートします。
刻々と状況が動いていますのでしばらく経つと情報が古くなってしまいますが、2019年1月末現在の情報に基づけば次のようになっています。

(法改正)
内閣府に設置された消費者委員会公益通報者保護専門調査会から2018年12月に報告書が提出されました(具体的な内容は内閣府のウェブページ(外部サイト)をご参照ください。)。この報告書に関して2019年3月29日まで意見募集(パブリックコメント)(外部サイト)がなされ、その後国会に公益通報者保護法の改正案が提出される見込みです。改正案が成立すれば、施行後初めての実質的な内容にわたる法改正となります。
報告書には、コンプライアンス経営や国民の安全安心に向けた取り組みの重要性の高まりをうけ、①公益通報者保護法を使いやすいものにする、②通報を受ける側における体制整備、③公益通報者の保護救済の充実及び不利益取扱いの抑止というテーマで審議した結果が記載されています。
報告書には、現時点では法定することが困難なため「今後必要に応じて検討」とされた部分も多く、法改正に至るまでに多くの困難を伴うことも考えられますが、コンプライアンス経営を推進し国民の安全安心に役立つ公益通報の実現につながる法改正がなされればと思います。

(認証)
認証制度は、事業者の内部通報制度を評価し、基準に適合している場合に所定の認証を行う制度で、自己適合宣言登録制度と第三者認証制度(自己適合宣言登録制度の運用を踏まえて導入)からなります。
認証制度については、当委員会のコラム2018年12月号(内部通報制度と認証制度について)に掲載しましたが、その後動きがあり、自己適合宣言登録制度において、認証登録業務を行う指定登録機関として、公益社団法人商事法務研究会が指定されたことが12月19日付けで消費者庁から発表(外部サイト)されました。
指定登録機関の説明(外部サイト)では、自己適合宣言登録制度の申請については今年2月中に開始する予定となっており、申請書式、規程類が順次公開されています。
この認証を受けることで、内部通報制度を適切に整備・運用する事業者として、取引先からの信頼、企業ブランドの向上、金融市場からの評価等に繋がり、企業価値の向上や消費者等の安全安心の向上を図ることが見込まれますので、企業価値の向上等に向けて認証制度の活用を検討していただければと思います。

(法改正と認証に関するシンポジウム)
このような動きの中、東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会の東京三弁護士会の共催で、3月1日(金)18時から20時まで「公益通報制度の新次元~いよいよ実現に動き出した法改正と認証制度による差別化~」と題したシンポジウムを弁護士会館(東京・霞が関)で行います。
消費者庁の担当官、内閣府公益通報者保護専門調査会の委員、内部通報制度に関する認証制度検討会の委員がパネリストとして参加されます。
2時間という時間の制約はありますが、最新の情報・状況を知る良い機会ですので、是非ご参加ください。
シンポジウムの案内文は次のウェブページに掲載されています。

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