東京弁護士会
公益通報者保護特別委員会

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グループ会社などで働く皆さんへ~グループ会社等を含む一元的窓口への通報という選択肢~(2018年7月号)

今回のコラムは、やや毛色が変わりますが、民間企業で働く方々宛に、内部通報制度に関するいくつかのご案内です。
民間企業で働く方々は、会社内で、「ウチの上司/役員や取引先の営業担当に"●●しろ"って言われたけど、そうすると法律をムシすることにならない?」などと思う業務命令・取引依頼に出くわすことはありませんか。もし皆さんがそのような業務命令に従えば、会社について、(場合によっては皆さんご自身についても、)ゆくゆくは刑事上・民事上の責任を負うこととなったり、所管官庁から行政処分等を受けることとなる場合があります。しかし、「ウチの利益のための、必要悪だ」、「慣習で、今までずっとこうしていたんだ」、「バレなければ良い」などと上司や取引先らが開き直って違法行為を是正しようとしないケースも、決して少なくありません。
そもそも、皆さんの勤務先には、内部通報窓口がありますか?その窓口に、法律違反かもしれない行為を告げた場合には、社内で是正できる体制がありますか。もしそのような体制があれば、皆さんには、勤務先の窓口に通報するという選択肢がある、ということになります。ですが、仮に自社の勤務先にそのような制度があるとしても、「うーん、法律違反の業務命令や依頼かなぁとは思うんですが、社内に通報するというのは、どうも抵抗があって・・・ヘタに通報して給料下がったり、ましてや左遷されたりクビにでもされたら嫌だし・・・」といったお声を聞くこともあります。
現に、法律違反にあたる問題が残業代の未払いなどであれば、経営陣は、会社のイメージ低下をおそれて速やかに対応する可能性が大いにあります。ですが、残念ながら、必ずしもすべての経営陣がすべての法令違反行為の"芽"に対して敏感とは言い難く、せっかく真摯な通報を行ったのに、経営陣まで通報に関する情報が届かないケースや、届いたとしても違法行為をやめようとしないケースが少なくありません。さらには、言語道断なケースにおいては、会社が違法行為をやめないばかりではなく、会社が通報者に対して不当な異動命令を発したり、通報者に種々の嫌がらせを行ったり、果ては解雇したり・・・といった不利益処分を行うケースも決して少なくありません。
そこで、――こればかりは現状、会社次第ではありますが――ご勤務先の親会社や取引先において、グループ会社・取引先も含めた一元的相談窓口・部署を用意している場合があるかもしれません。社内イントラネットや受付・商談ブースなどに、そのような窓口を紹介する案内を用意している会社もあります。そういった窓口を利用可能な会社にご勤務中ということであれば、(語弊を恐れずに言えば、)ご勤務先のやや脆弱な窓口に頼るよりも、"違法な業務命令の根幹になっている親会社・取引先"に直接アタックすることが可能であり、有効な通報を行うことができるケースもあります。
もっとも、グループ会社等を含む一元的窓口への通報時には、自社窓口への通報時とは異なる注意点がある場合もあり、個別具体的な案件ごとに、留意すべき点も異なります。通報に迷う場合など、是非ともお気軽に、弁護士会の相談窓口にお問合せください(上記例では、自社社内窓口かグループ会社の一元的窓口か、という例を挙げていますが、それに限らず、会社以外への通報(行政やマスコミ)への通報をご検討の場合でも、勿論ご相談に乗ります)。
弁護士会の相談では、(1)そもそも皆さんが通報を行おうとする内容が(通報に関する)法律上の保護を受けられる内容かどうか、(2)どこに通報したらよいか、(3)通報した場合のリスクや、リスクを避ける方法等に関する具体的なご相談を受け付けています。皆さんから相談があったということは勿論、相談内容についての秘密も守られますし、相談料は原則無料ですので、お気軽にご相談ください(※1)。

※1:東京弁護士会の公益通報相談窓口(東京弁護士会サイト参照)

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