東京弁護士会
公益通報者保護特別委員会

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内部通報制度と認証制度について(2018年12月号)

内部通報窓口を設置する企業は50%近くに達しているという調査結果もあり(平成28年消費者庁「民間事業者における内部通報制度の実態調査報告書」)、マスコミを賑わす企業の不祥事も内部通報に端を発するということも珍しくなくなりました。その意味で、内部通報制度は「窓口を設置しているか」だけでなく「実効性のある制度になっているか」が重要なテーマとなりつつあります。

当委員会ブログでも以前ご紹介したとおり、消費者庁は平成28年12月に「公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン」を公表しました(当委員会ブログ2017年2月号)。

この民間事業者向けガイドラインでは、内部通報制度の実効性向上のために「内部監査や中立・公正な第三者等を活用した客観的な評価・点検を定期的に実施し、その結果を踏まえ、経営幹部の責任の下で、制度を継続的に改善していくことが必要」(下線は引用者)として、中立・公正な第三者等による評価・改善の必要性にも言及されています

これを受けて、消費者庁は平成30年5月、「内部通報制度に関する認証制度の導入について(報告書)」(以下、「認証制度報告書」)を公表しました。

「内部通報制度に関する認証制度」(以下、「認証制度」)とは、内部通報制度を適切に整備・運用する企業を高く評価する制度です。この認証を受けることで、取引先からの信頼、企業ブランドの向上、金融市場からの評価等に繋がり、企業価値の向上や消費者等の安全安心の向上を図ることが狙いです。

認証制度は、(i)事業者自らが自身の内部通報制度を審査した結果を登録する「自己適合宣言制度」と、(ii)中立公正な第三者機関が事業者の内部通報制度を審査・認証する「第三者認証制度」の二つの制度があり、(i)は平成30年から、(ii)は平成31年以降実施予定で詳細は今後消費者庁から公表される予定です(平成30年12月現在)。

認証制度報告書では、約40の審査基準案の概要が示されており、①内部通報制度の中立性・公正性等の確保、②通報者の保護、秘密保持、情報管理、③実効的な是正、再発防止、④担当部署における必要な権限、人員、予算等の確保などが求められています。認証制度の詳細が公表された場合には、企業価値の向上に向けて認証制度の活用を検討していただければと思います。

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