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公益通報者保護特別委員会

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内部通報を明るくするための一工夫(2017年7月号)

 今回は、内部・外部双方の通報窓口を担当した経験から、内部通報制度を明るく充実させるための一工夫を考えてみたいと思います。
 内部通報制度を充実させることは、不正の芽を小さなうちから摘み取り、会社を揺るがす大きな不正に育てないために、非常に重要だと思います。
 大きな会社は、「一応」通報窓口を整えるようになってきていますが、本当に、不正の芽を小さなうちに見つけられているでしょうか。通報者は法的に保護されるとはいっても、やはり名前を告げて通報することは怖いものです。ましてや、大きくなってしまった不正の通報には大変な勇気がいります。通報者は組織を完全に見限ってはいないのでしょうが、全幅の信頼を寄せているわけでもなく、誰に相談しようか悩みぬいて通報を選ぶ方が多いように思います。通報窓口への実名相談でも、やはり敷居が高いのです。
 そこで、組織全体の正式な通報窓口は設置するとしても、より小さな単位(部や課)のご意見箱(もちろん匿名可、インターネット上で簡単に作れます)があると、職員のちょっとした問題意識が集まりやすくなります。中にはただの悪口や愚痴もあるでしょうが、とても重要な問題が隠れていることもあります。
 それから、匿名の通報であっても、調査や改善を行った場合は、通報者に何らかの方法で伝える仕組みがあると、実名は怖い、でも匿名だと怪情報扱いでちゃんと調べてくれないかも、という通報者の声が拾いやすくなると思います。
 また、弁護士などの外部窓口を利用する場合には、電話よりメールの方が通報者には利用しやすいようです。メールのひな形などがあれば通報者には便利です。さらに、外部窓口の存在は職員全員に周知しなければ意味がありません。そのための一工夫として、社内用封筒に窓口の連絡先を印刷している会社もありました。窓口をオープンなものにして通報に対するネガティブな印象を払拭し、奨励するくらいの姿勢が、組織の風通しを良くする秘訣ではないでしょうか。

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