東京弁護士会
公益通報者保護特別委員会

公益通報者保護特別委員会

 

「おせっかい」で、正義感にあふれた暖かみのある社会を~「いじめ」に見て見ぬふりは「もやもや」が残りませんか(2016年10月号)

 「公益通報者保護」というと堅苦しいようですが、筆者は、必ずしもそうではないと思っています。複数の中学生が一人の中学生を取り囲んで、明らかに「いじめ」をしている現場(例えば、嫌がっている本人をこづき回している)を見た場合を想像して下さい。その場で止められなくても、その親や学校、場合によっては役所や警察に通報すること、そのような正義感は大事ではありませんか。このような通報は「いじめ」の解消や「いじめ」をしていた中学生たちの反省、将来の被害の防止にもつながり、道理をわきまえた親や学校等からは、通報した人が感謝されるはず(べきもの)です。
 でも残念なことに、時に、まともな対応がなされず、逆恨みされるだけかもしれません。
 「公益通報者保護」というのは、様々な企業や団体で働いている、このような正義感にあふれる人が、他人のためを思って通報をしたことにより、少なくとも不利益は受けるべきではない、受けないという理念が、表れたものだと考えています。

 筆者を含め皆さんは子どもや学生の頃、他人の明らかな社会ルール違反行為(例えば、上記の「いじめ」の光景を思い出して下さい。)について、見て見ぬふりをすることが正しいと教わったのでしょうか。勿論、直接注意することは逆恨みをされたり、暴力をふるわれたりする心配があります。その場に一緒にいた親や友人、恋人からは余計な関わり合いや「おせっかい」はやめなさいと言われることもあったと思います。「おせっかい」を避ける人が多いでしょうし、筆者もそうでした。それもやむを得ないことだと思います。
 でも、いじめられていた中学生のことが気になり、何か「もやもや」した気分が残りませんでしたか。

 一般の取引社会や会社生活においても同じです。同じ会社の中や取引関係の中で、法律に反している行為ではないかと思いつつも、本人に直接言うのも、関係者に言うのも、はばかれるし恨まれるだけかも知れない。でも見て見ぬふりは心に残る。役所などの公の機関に言う程の話かもわからないし、他人のことを役所などに伝えても面倒に巻き込まれるだけ、という気持ちもある。
 そのような時、少しでも迷った時には、是非弁護士会に相談して下さい。
 弁護士は当事者の直接の関係者ではありませんし、客観的な公平な目で状況を見ることができます。しかも、社会正義の実現という職業倫理に立脚した法律の専門家です。皆さんの秘密も守ります。もちろん、お話をよく伺わないと、問題解決にお役に立てるかはわかりません。しかし、皆さんの正義感の「もやもや」を晴らすお手伝いができるはずです。実は、これこそが、問題解決に向けたすべての始まりになると、筆者は思っています。
 しまい込んだ子どもや学生時代の正義への憧れを思い出し、ちょっと心の蛇口をひねって、弁護士とともに「もやもや」を一緒に晴らそうとしてみませんか。適切な「おせっかい」で、正義感にあふれた暖かみのある社会を実現する第一歩を踏み出しませんか。

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