東京弁護士会
公益通報者保護特別委員会

公益通報者保護特別委員会

 

公益通報制度の目的ってなんですか?(2016年9月号)

 新聞やテレビでも報道されているように、薬剤の臨床検査データの改ざん、ホテルでの料理メニューの産地表示偽装、福祉施設における職員の施設利用者に対する虐待、違法な公金支出など法令違反行為によって国民の健康や財産が脅かされる事態が、現在でも多発しています。
 ところで、国民の健康や財産を脅かす組織内部のいわばスキャンダル情報は、通常は、組織外部に漏れることはありません。
 行政など監督官庁のチェック機能も決して万全ではありませんので、組織のスキャンダル情報が白日の下にさらされる保証も何らありません。
 コンプライアンスに反する事態が世間に発覚した時には、既に甚大な社会的被害が発生してしまっているおそれがあります。
 被害を抑止するという発想で捉えた場合、組織のコンプライアンス違反の事態を察知した内部の人間が、把握した情報を組織のコンプライアンス部門あるいは監督官庁などに情報を早期に伝達し、なおかつ、然るべき部署において適正な措置が講じられることが当然ながら重要です。
 しかし、通報したものの、通報した情報が握りつぶされ、あるいは、適切な対応がとられないまま事態が推移することがあります。そればかりか、組織に貢献する通報をした者自身が、本当に残念で理不尽なことではありますが、会社等から解雇、左遷、減給等不利益な処遇を受ける場合があります。そのようなことでは、誰も心ある声をあげなくなってしまいます。
 公益通報者保護制度は、法令違反行為の事実を通報した人を、解雇その他の不利益な取り扱いから守ることを目的としています。通報者の保護を通じて、冒頭でご紹介したようなコンプライアンス違反行為の発生や被害拡大の防止につながっていきます。
 東京弁護士会の公益通報者相談窓口は、通報をしようとする人、通報をしたことによって不利益な取り扱いを受けている人に対して助言と協力をいたします。それだけでなく、通報窓口や相談窓口を設けようとしている企業その他の団体からのご相談にも応じています。お気軽にご相談お寄せください。

公益通報者保護特別委員会メニュー