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公益通報者保護特別委員会

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通報窓口の「窓」のいろいろ(2017年4月号)

 13年ほど前、ある企業に勤めていた際、「どんどん内部告発するように」とトップ自ら全従業員に向けて内部告発を推奨していて驚いたことがあります。おそらくそこまでトップが内部告発・通報に理解のある企業ばかりではないと思いますが、今はトップにそのような姿勢が強く求められる時代であることを、消費者庁の内部通報処理・新ガイドライン『公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン』(※1)が教えてくれます。内部通報制度があれば不正を早い段階で明らかにし、自浄作用を働かせることができる一方、そのような制度がなく不正が発覚しないままになってしまうと、問題が大きくなり外部通報リスクも高まるので、企業にとって重要な制度です。
 「窓」という字は、まさに「心を通す穴」です。相談者の心を会社に通じさせるための内部通報の「窓口」には、総務・法務部門等に設置される「社内窓口」と、法律事務所などに委託する「外部窓口」があります。どちらかを設置している企業もあれば、いずれも設置している企業もあります。
 筆者は、社内窓口の担当として外部窓口の弁護士と連携して通報に対応していたことがありますが、社内窓口と外部窓口で通報は半々というところでした。電話やメール等いろいろな通報方法がありますので、通報を考えている方は社内の通知やイントラネット等で通報先を確認してみてください。
 社内窓口への通報に抵抗があれば外部窓口に通報し、外部窓口から社内窓口に報告の際に匿名にしてもらうことや、秘匿したい内容は伝えないよう配慮してもらうこともできます(ただ、調査が進む中で通報者が特定されてしまう可能性もありますので、通報内容や通報方法は慎重に検討した方がいいでしょう)。
 会社に内部通報窓口がない、会社に通報しても是正されないという場合は、外部通報という方法もあります。東京弁護士会の公益通報相談窓口では、法的な保護を受けられる内容かどうか、どこに通報したらよいか、通報した場合のリスクや、リスクを避ける方法等の相談を行っています。相談料も原則無料ですので、お気軽にご相談ください(※2)。

※1:消費者庁 内部通報処理・新ガイドライン
『公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン』(PDF:231KB)

※2:東京弁護士会の公益通報相談窓口(東京弁護士会サイト参照)

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