東京弁護士会
公益通報者保護特別委員会

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通報者に対する不利益な取り扱いの禁止とガイドラインの改正(2017年6月号)

 内部通報制度を実効的に機能させるためには、様々な配慮が必要ですが、「通報者に対して事後的に、解雇その他不利益な取り扱いがされないこと」は特に重要な要素の一つといえます。
 改正前の「公益通報者保護法に関する民間事業者向けガイドライン」(平成17年7月19日)では、不利益な取り扱いの禁止について、「公益通報をしたことを理由として通報者に対し、解雇・不利益取扱い(懲戒処分、降格、減給等)をしてはならない。」と規定されているのみでした。
 これに対し、平成28年12月8日に改正された、「公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン」(以下「改正ガイドライン」といいます。)においては、概要、以下のとおり改正することにより、通報者の保護の徹底を目指しています。

①公益通報をした者のみならず、内部規程等に定める要件を満たす通報者及びその調査協力者も保護の対象に含めること(改正ガイドラインⅢ2①)
②不利益な取り扱いの内容に関する、具体例の提示(改正ガイドラインⅢ2②)
③通報者等が不利益な取り扱いを受けたことが判明した場合には、救済・回復の措置を講じる必要があること(改正ガイドラインⅢ2③)
④通報等を理由として不利益な取り扱いをした者、通報等に関する秘密を漏らした者等について、懲戒処分その他適切な措置を講じる必要があること(改正ガイドラインⅢ2④)
⑤被通報者が通報者の存在を知り得る場合には、被通報者が通報者に対して不利益な取り扱いをすることがないよう、被通報者に対して注意喚起等の措置を講じること(改正ガイドラインⅢ2⑤)

 各種規程を制定する等により、内部通報制度を整備したとしても、通報者に対する不利益な取り扱いが防止できなければ、内部通報制度を利用する者はいなくなってしまいます。
 内部通報制度の信頼を維持し、その実効性を確保するためにも、改正ガイドラインを参考に、不利益な取り扱いの禁止を徹底することが大切といえるでしょう。

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