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公益通報者保護特別委員会

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公益通報者保護検討会~法改正に向けて~(2024年7月号)

現在、消費者庁で、公益通報者保護法の改正を見据えた「公益通報者保護制度検討会」が開催されていることをご存知でしょうか。

公益通報者保護法は令和2年に一度改正されています。このときは、保護される通報者の範囲の拡大、外部通報の保護要件の緩和、従業員数300人超の事業者に対する体制整備義務、行政措置(助言・指導等)の導入など、より実効的な通報制度の実現に向けた改正が行われました。この改正を受け、令和3年8月、体制整備義務に関連して「公益通報者保護法11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」、同年10月には「公益通報者保護法に基づく指針の解説」が公表されました。この「指針」及び「指針の解説」を参考に、事業者において通報制度の新規導入あるいは既存の制度について拡充が行われてきました。

改正法附則第5条では、施行後3年度めどに法の施行状況を勘案し、公益通報者に対する不利益な取扱いの是正に関する措置の在り方及び裁判手続における請求の取り扱いその他新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとされています。そこで、令和2年改正で積み残しとなった問題点に加え、令和2年改正以降の国内外の状況等を踏まえて、さきほどの「公益通報者保護制度検討会」が開催されているのです。第1回は令和6年5月7日に、第2回は同年6月7日に行われ、その資料は消費者庁HPに掲載されています。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_partnerships/meeting_materials/review_meeting_004/

第1回では、国内の施行状況を中心とした資料として、就労者1万人アンケート調査結果、民間事業者の実態調査結果などが、第2回では、海外の制度を分析する資料として、ビジネスと人権に関する指導原則、主要先進国の公益通報者保護法についてなどが紹介されました。今後は、国内外の状況を検討しつつ9月を目途に中間報告を取りまとめ、各論点について立法事実を検討して議論を深め、本年末までの報告書取りまとめを目指しているということです。

令和2年改正法以後も、通報制度の機能不全により自浄作用を働かせることができないまま、企業不祥事が公になった例が後をたちません。企業にとって有益な情報を通報制度により拾い上げるためには、前提として通報者が制度利用をためらうことがないよう、通報者保護を徹底することが不可欠です。実効性のある通報制度を後押しする法改正が実るよう、検討会における議論を注視していく必要がありそうです。

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