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中小企業法律支援センター

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【活動報告】東京都中小企業診断士協会城北支部と東京弁護士会中小企業法律支援センターSDGsPTとの勉強会を開催しました(2025年11月12日)

2025年11月12日(水)に、文京区シビックセンタ―会議室にて、「SDGsコンプライアンス」をテーマとした勉強会を開催しました。

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冒頭、東京都中小企業診断士協会城北支部の中郡久雄先生、東京弁護士会中小企業法律支援センター(「当センター」)副本部長の角田智美弁護士より開会のご挨拶がありました。

セミナーに先立ち、中小企業診断士の日影聡先生が、「世界課題を『ビジネス』の力で解決」というテーマで、中小企業におけるSDGsの普及に向けて実施している活動を紹介されました。地域密着の中小企業こそがSDGs達成の担い手になり得るところ、中小企業においては働き方改革につながるという要素が重要であり、従業員が自分事として課題を見つけ、ありたい姿を考えて取り組むようになることが必要と語られました。

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当センターSDGsPT座長の小西麻美弁護士は、SDGs及びビジネスと人権の指導原則について説明した上で、当PTにて提唱する「SDGsコンプライアンス」の概念を紹介し、大企業と異なり、人的物的な資源に限りのある中小企業においては、法令遵守事項と自主的取組事項とを区別して、優先順位をつけて取り組むことが有用であると提案しました。

続いて、当PT副座長の添田雅人弁護士から、「SDGsコンプライアンスの実践~人権方針の策定」と題して、自身が顧問先企業において人権方針の策定にかかわってきた経験を踏まえて、具体的な取組方法や留意点について説明がありました。
また、当PT副座長の田中康一弁護士からは、顧問先企業において人権デューデリジェンスを実施した事例を紹介し、企業の規模や実情に合わせてチェック項目を絞るなど、企業側担当者と試行錯誤しながら進められた経験が語られました。

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最後に、中小企業診断士の日影先生が、サプライチェーンにおいても人権対策が重要となるが、中小企業の現状に即した対応を行う必要があり、中小企業診断士や弁護士は中小企業の視点に立って支援することが求められると締めくくりました。

質疑応答、ディスカッションでは、中小企業への意識づけの難しさ、経営者の負担感、普及に向けた工夫などの課題にどのように向き合うかについて議論がなされました。これについては、まずは中小企業として最低限守るべき法令遵守事項を実践することがビジネスと人権の要請にかなうと説明すること、経営者や従業員にとって理解しやすい言葉で人権意識を継続的に伝えること、人権配慮が採用に有利といったメリットを打ち出して人手不足という課題への解決の一端として考えてもらうこと、などの意見が出ました。

勉強会後には懇親会が開催され、参加した弁護士と中小企業診断士が交流を深め、盛況のうちに終了しました。

SDGsを表層的なスローガンで終わらせず、中小企業の現状に向き合いながら具体的な行動につなげることで企業の持続的な成長を実現させるために、弁護士と中小企業診断士がどのように関与していくことができるのかを考える貴重な機会となりました。



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