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公益通報者保護特別委員会

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公益通報者保護法の改正により、公益通報者に対し解雇・懲戒をした者に対する刑事罰の規定が新設されることになりました(2026年3月号)

公益通報を行った公益通報者に対する解雇や嫌がらせといった、事業者による不利益な取り扱いが公益通報を行うことを躊躇させてしまうとして度々問題となってきました。令和8年12月1日に施行となる改正公益通報者保護法により公益通報者保護の実効性がさらに高まることが期待され、公益通報者にとり通報しやすくなる環境がより一層整えられることとなりました。

1.刑事罰

公益通報を理由として労働者を解雇・懲戒した者及び法人に対する刑事罰の規定が新設されることになりました。

具体的には、
行為者個人に対して、6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金
法人に対して、3000万円以下の罰金
を科す旨の規定です(改正公益通報者保護法第3条1項、同第21条1項、同第23条1項1号)。

これまでも、公益通報を理由とした解雇を無効とする条文の定めはありましたが、今回の改正で、公益通報を理由とした懲戒についても無効とすることが明記され、かつ公益通報を理由とした解雇・懲戒を行った者に対する刑事罰が追加されたことにより、公益通報者が事業者から報復的な措置を受ける恐れが軽減されることが期待されています。

2.立証責任の転換

公益通報から1年以内の解雇・懲戒は公益通報を理由としてされたものと推定されることになります(改正公益通報者保護法第3条3項)。

これまでは公益通報を理由とした処分であることを立証しなくてはならない点で、公益通報者にとって大きな負担となり得ました。しかし、今回の改正により、公益通報後1年以内にされた解雇・懲戒については公益通報をしたことを理由としてされたものと推定されますので、「解雇・懲戒は公益通報をしたことを理由としてされたものではない」ということを事業者の側が証明しなくてはならないことになります。

3.その他

また、正当な理由なく公益通報をしない旨の合意を求めること等による公益通報を妨げる行為(妨害行為)や正当な理由なく公益通報者であることを明らかにするよう要求する等の公益通報者を特定することを目的とした行為(探索行為)についても禁止する旨が条文上明確に定められることとなりました(改正公益通報者保護法第11条の2、同第11条の3)。また、公益通報者の範囲は、労働者(正社員、アルバイト、パートタイマー等、公務員)、派遣労働者、退職者、役員に加えてフリーランスが追加する形で拡大されています。

今後解決すべき課題は諸々ありますが、今回の公益通報者保護法の改正により、公益通報制度がより一層積極的に利用されるようになることが期待されています。

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