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裁判員制度センター

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模擬評議の実施レポート<平成28年2月19日 国本女子高等学校>

平成28年2月19日、当センターは、世田谷区所在の国本女子高等学校に委員3名を派遣して、3年生3クラスを対象に裁判員裁判の模擬評議を体験してもらいました。
国本女子高等学校は幼稚園から高校までが同じ敷地内にある、落ち着いたアットホームな雰囲気の学校です。

まず、鑑賞のポイントについて概略説明をした後に当センター作成の「東京地裁刑事第201号法廷」(弟が兄を死亡させた事案の模擬裁判)のDVDを全員で見てもらい、その後クラスごとに分かれて班別評議をしてもらいました。
評議の時間が限られていたため殺意の有無を中心に検討してもらいましたが、法律的な意味における「殺意」について、また、人の内心の問題も客観的事実によって認定し得ることなどを具体例で説明すると、生徒さんたちは、殺意の有無には微妙な場合があり、その認定は思いの外容易ではないことをすぐに理解し、改めて本件事案に興味を持って取り組んでいました。
評議の当初は想像力が膨らみ「実際はこうだったのではないか」と自由な発想で事件を見ていた生徒さんも、「どの証拠からそのようにいえるか」と問いかけると、配布した証拠資料をもう一度めくって精査するなど「証拠によって認定する」ということをすぐに実践していました。

正当防衛に関する事実まで評議できなかったこともありますが、あるクラスでは全員が「殺意なし」との結論に至り、その論拠も証拠を踏まえたなかなか説得的なものでした。
短い時間でしたが、事実はどのような視点から見るかによって評価が変わり得るものであること、客観的な事実から人の内心を認定すること、証拠の証明力には軽重があることなど、実は評議の内容は日常の生活の中で日々意識をせずとも行っていることであり、それは決して特殊なことではないということを感じてくれたのではないかと思います。

今回の派遣は、東京弁護士会の法教育に関するプログラム紹介のパンフレットをご覧になられた担任の先生からの依頼によるものです。講義の時間や内容についてはご要望に応じて柔軟に対応できますので、ご関心がある方は是非お問い合わせください。

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