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模擬評議の実施レポート<平成29年1月25日 都立大江戸高等学校>

当センターは、平成29年1月25日、都立大江戸高等学校に5名の委員を派遣し、高校3年生の生徒さんのうち約70名に模擬評議を体験していただきました。同校は定時制、単位制、総合学科を設けており、生徒の選択を重視してカリキュラムが組まれています。模擬評議の際に、生徒の皆さんが活発に議論に参加し、グループ内のメンバーの意見を聞く姿が印象的でした。

今回の講義では、派遣講師が、①証拠に基づいて事実認定をすること、②事実認定に際しては「疑わしきは被告人の利益に」の原則があることを説明し、その上で、弟が兄を死なせてしまった事件の裁判劇DVDを観てもらい、模擬評議に移りました。

模擬評議では、6名のグループに分かれてもらい、実際の裁判と同様に、まずは①殺意の有無について評議をしてもらい、その後②正当防衛について評議をしてもらいました。活発に評議がなされており、当初は「どこから話していいかわからない」というグループもありましたが、生徒の皆さんにDVD観賞中に作成していただいたメモをもとに派遣講師が評議の中に入って振り返っていくと、各々気が付いたことが出てきて評議が進むようになりました。

評議が終わると、各グループの評議の結果、どういう意見が出たのかの概要を発表してもらいました。発表では、証拠を時系列に沿って評価しているグループや、全体のストーリーを立て証拠を整理するグループなど、初めて評議したとは思えないほど説得力のある発表が続きました。

評議の後、生徒さんから「この事件について、弁護士の皆さんは殺意、正当防衛の成立についてどのような意見をお持ちですか」という質問を受けました。派遣講師が自身の結論部分のみを話すとともに、社会に出ると正解が無いなかで議論をし、結論を出すことばかりであり、裁判員裁判もその1つなので、物怖じせずに参加してほしいとメッセージを伝えました。

今回の模擬評議をきっかけに、動かない事実をめぐって議論がわかれること、そして相手の立場を聞いて議論を整理すること、議論をして相手を説得することを体験してもらえれば幸いです。

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