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裁判員制度センター

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模擬評議の実施レポート<令和6年3月15日 東京都立三鷹中等教育学校>

【日時・場所】
・令和6年3月15日(金) 8:40~12:20
・東京都立三鷹中等教育学校

【派遣講師人数】
・4名

【対象・実施方式】
・高校生1年生 4クラス 約146人
 1クラスに1人の弁護士という体制で法教育授業を行いました。

【実施概要】
第1 当日の講義内容
1「201号法廷事件」を教材に
(1)全体講義
   裁判員制度のご説明や資料についてのご説明
(2)裁判劇DVD上映
   50分程度視聴
(3)4クラスに分かれ、クラスごとに弁護士が1名つき、議論
ア 時間
 90分程度
イ 進め方
 クラスごとに、6~7人に分かれ、①殺意②正当防衛の成否についての議論をしました。
 最初に、DVDや証拠から言える事実について、20人くらいの生徒から事実の洗い出しをしてもらい、それぞれ発言を求めました。その後、①殺意については、確定的故意、未必的故意についての説明をそれぞれ行った後、いずれの故意が認められるかどうかについて議論を行いました。さらに、殺意についての中間発表を班ごとに発表してもらいました。その後、10分ほど休憩を取った後、②正当防衛の概念、要件(差し迫った危険の有無、相当性)についての説明を行いました。その後、正当防衛についての議論を班ごとに行いました。
ウ 議論の内容
 一人一人の生徒を指名することにより、意見を募りました。各グループでは、①殺意については、事件前に、被害者から家族に暴力を振るわれていたという事実が、殺意に結び付くのかどうか、攻撃の意思や加害の意思の表れではないかといったことが議論されました。また、被告人の年齢からすると、自身の行う行為がどれほど危ないかわかるはずであるといった議論や布団に押し付ける行為がどれほど危険なのかといった点が議論されていました。殺意については、ほとんどのグループが、確定的殺意はなく、未必的殺意が認められるという理由で、殺意があるというのが多数派でした。
 ②正当防衛については、クラスで多数派であった未必的殺意が認められることを前提に、身を守るための行為と言えるのか、そう言えた場合、やりすぎではなかったのかという点が議論されました。その中では、日常的に長くは1時間も抑え込む行為をしていたのであれば、今回のような10分くらいの抑え込みは、相当ではないと言えないのではないかといった議論が行われました。他方、灰皿や花瓶を投げることによって、身体に怪我をしたといった事情がないにもかかわらず、ガムテープを巻くだけにとどまらず、抑え込んだのはやりすぎではないかという議論が行われました。
 正当防衛については、過剰防衛が成立するという意見、正当防衛について成立するというグループが半数ずついました。
エ 講評
 グループごとに議論のポイントとなった点について、解説を行いました。
 正当防衛については、差し迫った危険について、どういった事情が考慮されるのか、相当性についての考慮要素について解説を行ったうえで、学生が発表した点が、どういった考慮要素になり、どうつながるのかという説明を行いました。
 また、正当防衛が成立しない場合、過剰防衛の場合には、量刑も争点になり得ることを伝えたうえで、実際の裁判員では、同様の事例について量刑がどのくらいなのか参照することもあることを話したうえで、何罪が成立するか、過剰防衛の成否によって、刑が下がる可能性があることを説明しました。

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